中国での商標登録、特にマドリッドプロトコル(マドプロ)ルートを利用する際の留意事項について説明します。
1.マドプロとは?
マドリッド協定議定書(及びマドリッド協定)に基づく商標の国際登録は、国際機関に対して一つの出願を行うことで、複数の国に商標保護を求めることができる国際的なシステムです。
このシステムを利用することで、中国を含む加盟国での商標登録が可能になります。
2.中国の商標実務
中国には独自の商標法規が存在し、これに準拠する必要があります。
例えば、中国では商標の「類似性」に関する基準が他国と異なることがあります。
また、保護を求める商品やサービスを詳細に記述する必要があります。
3.商標登録証の不発行
中国では、マドプロルートの商標登録に対しては、商標登録証が自動的に発行されません。
そのため、商標登録証の発行を希望される場合、別途登録証の発行申請を行う必要があります。
※2022年1月より、中国では紙媒体での登録書の発行が廃止されました。現在は、電子媒体の登録証明書のみ入手可能です。
また、登録書の発行申請は、該当商標の審査期間起算日から18ヶ月経過後に行うことができます。
以上の点を考慮し、直接出願ルートとマドプロルートのどちらを選択するかを検討することをお勧めします。