2024年1月頃から導入される予定の「電子特殊申請」では、これまで紙媒体のみでの申請が必要だった書類も電子媒体で申請できるようになります。現時点の特許庁からの発表情報は、以下の通りです。
1.提出の仕方(予定)
新たに認められる電子申請は、「電子特殊申請」と呼ばれます。
電子特殊申請時には、書誌情報を記入した「送付票」を作成し、この送付票に申請書類や添付書類をPDF形式で添付して特許庁に送信します。この電子特殊申請も、従来の電子申請と同じく、特許庁が提供するインターネット出願ソフトを利用します。
(特許庁に対する電子特殊申請イメージ)
※特許庁ウェブサイト「申請手続のデジタル化について」より引用https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/shinsei_digitalize.html
2.注意事項
(1)1申請1送付状
1つの送付状で提出できるのは、1申請のみです。
例えば、「表示変更登録申請書」と「移転登録申請書」とを同日に提出する場合は、それぞれについて送付票を作成し、送信する必要があります。
(2)全ての書面がPDF形式で提出できること
PDF形式で提出できない書類が申請書類や添付書類に1枚でも含まれている場合は、電子特殊申請はできません。この場合は、従来通り、紙媒体で提出することになります。
(電子特殊申請で添付できる書類、できない書類)
※特許庁ウェブサイト「申請手続のデジタル化について」より引用https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/shinsei_digitalize.html
(3)署名
押印必要な書面であって電子署名が可能なものについては、押印の代わりに電子署名をすることで電子特殊申請を利用できます。またこの場合、印鑑証明書の提出は不要となります。
例)移転登録申請
①従来の紙媒体の申請
・移転登録申請書に添付する譲渡証書には、譲渡人による押印が必要
・譲渡証書に押印した譲渡人の印鑑の印鑑証明書を添付する必要がある
・移転登録申請書に登録免許税を貼付しなければならない
②電子特殊申請
・移転登録申請書に添付する譲渡証書に、譲渡人による電子署名1を付す
・電子署名の場合、印鑑証明書の添付は不要
・登録免許税は、電子納付(ペイジー納付)、ペイジーダイレクト納付(口座振替)、クレジットカード納付のどれかで納付できる
(4)電子特殊申請で提出できる書類
「権利の移転等に関する手続」のうち、電子特殊申請できる申請書等は、電子特殊申請の対象書類一覧(移転)をご確認ください。
(5)電子特殊申請で提出できない添付書類について
公的な証明書(戸籍謄本等)等は、原本を提出する必要があるため、電子特殊申請による提出はできません。従って、公的な証明書を提出する必要のある申請は、従来通り、紙媒体で提出する必要があります。
- 電子署名の付与は、デジタル庁GPKI電子署名アプリを利用して行うことができます。 ↩︎